【商標】商標権の効力(兵庫産のカニを「間人ガニ」と偽装のニュースに絡めて)

昨日よりニュースを騒がせている、兵庫産のカニを京都産の間人(たいざ)ガニと偽装して
販売した水産加工会社の社長が逮捕されたニュースに絡めて商標権侵害(商標法違反)と商標権の効力について記事にしていきたいと思います。
間人ガニとは?
※間人カニとは京都府の丹後半島で獲れるカニのブランド名で
その希少性と味の良さから「幻のカニ」と謳われているカニです。
今回の事件の罪状
- 不正競争防止法違反(品質等誤認惹起行為)
- 商標法違反
商標権とは?
商標権は特許庁に商標登録出願をし登録査定を受けた後、登録料を納付し、
設定登録されることで発生します。今回の間人ガニに関しては、商標登録番号「第5002133号」で平成18年(2006年)11月10日に初めて登録されています。
指定商品
- 間人港で水揚げされたかに(生きているものを除く)
- 間人港で水揚げされたかに(生きているものに限る)
商標権の効力
1. 専用権
商標権者は、指定商品または指定役務(指定商品等)について、登録商標を独占的に使用することができる権利。※専用権についてはライセンス契約(使用権の設定や許諾)を行うことができます。
2. 禁止権
商標権者は、指定商品などについての登録商標に類似する商標、又は指定商品等に類似する商品等の登録商標、もしくはこれに類似する商標について、権原のない第三者の使用を禁止することができる権利。
事件と商標権侵害の関係
今回のニュースでは、「間人ガニ」の商標が使用された正規の未使用タグを兵庫県産のただのカニに付けて販売をしたと報道されておりました。私は法律の専門家ではないので間違えている可能性もありますが、恐らく、専用権違反の疑い(商標権者ではない容疑者(ライセンス契約もしていない)が商標を無断で使用した)なのではないかと考えております。
まとめ
この手のニュースはたまに報道されますが、「偽装するのはいけないことだな」程度にしか思っていなかったですが、少し踏み込んで考えたり、学んでみると事件と商標や商標権との関わりみたいなものが見えてきて興味深かったです。
参考情報
- 産経新聞「兵庫産カニを「幻の間人(たいざ)ガニ」と偽装か 容疑で水産業者ら逮捕」
https://www.sankei.com/article/20240404-2ALCBMMW7ZOPTEUNM326EUZ3QM/ - 京丹後市観光公社 公式ホームページ 京丹後ナビ
https://www.kyotango.gr.jp/foods/taiza-kani/