エントランス風景(R8.1.13~) 一足早い春の訪れ… エントランスを彩る鮮やかな梅の花と、 知っておきたい「梅」の知識や知財。
暦の上では春とはいえ、まだまだ寒さが厳しい日が続きます。
そんな中、私たち株式会社ミガリオのエントランスでは、一足早く春の訪れを告げる「梅」が満開です!エレベーターの扉が開くと、梅特有の甘い芳醇な香りがふわりと漂ってきます。
また、目にも鮮やかな紅色の花びらが無機質になりがちなエントランスの雰囲気を華やかにしてくれます。今回は、そんなエントランスの梅から少し話を広げて、「科学(特許)」と「文化(歴史)」の両面から、梅の知られざる世界を皆様と一緒に巡ってみたいと思います。
この記事の要点
⏱️読了目安: [約5分]
- 【基礎知識】梅は300種以上!「観る梅(花梅)」と「食べる梅(実梅)」の違いと、日本一の産地「みなべ町」の取り組み。
- 【科学と迷信】「うなぎと梅干し」は実は最強の相性?最新特許が証明した抗ウイルス・美肌効果のメカニズム。
- 【文化と歴史】徳川斉昭公が仕掛けた「陰と陽」の演出。水戸の梅まつりを10倍楽しむ散策ルート。
記事の目次
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実は300種類以上!「花梅」と「実梅」の世界
実は、日本国内だけで梅の品種は300種類以上もあることをご存知でしょうか? これらは大きく、花を楽しむ「花梅(はなうめ)」と、実を食べる「実梅(みうめ)」の2つに分けられます。
🌸代表的な「花梅」の系統とその特徴🌸
🌸代表的な「実梅」とその特徴🌸
そして、「実梅」を語る上で外せないのが、日本一の梅の里、和歌山県みなべ町です。
【コラム】西の横綱:日本一の梅の里「和歌山県みなべ町」
最高級品種「南高梅」発祥の地であり、梅の生産量日本一を誇るみなべ町。
この町には、梅への愛が溢れるユニークな条例があります。その名も「梅干しおにぎり条例」。
正式名称は「みなべ町紀州南高梅使用のおにぎり及び梅干しの普及に関する条例」。
地元の特産品である梅干しを使ったおにぎりを推奨することで、梅の消費拡大と健康増進を目指しています。
また、晩冬には「一目百万、香り十里」と称される南部梅林が山々を埋め尽くし、まさに桃源郷のような景色が広がります。
※一目百万、香り十里(いちもくひゃくまん、かおりじゅうり)とは:
一目見ただけで数えきれないほど(百万本)の梅の花が見渡せ、甘い梅の香りが十里(約40km)もの遠くまで広がる様子を表した言葉。
「うなぎと梅干し」食べ合わせが悪いって本当なの??
古くから「梅はその日の難逃れ」と言われ、朝に一粒食べればその日の災難を免れる「お守り」や「万能薬」として重宝されてきた梅干し。しかし、そんな体に良いはずの梅干しにも、一つだけ「相性が悪い」と言われてきた有名な言い伝え/食べ合わせがあります。
それが、「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」というもの。
皆さんはこの言い伝えをご存知でしたか?では、なぜ「難逃れ」とまで言われる梅が、栄養満点のうなぎと合わせると「毒(ダメ)」だと言われたのでしょうか?実はそこには、医学的な根拠ではなく、先人たちなりの深い「優しさ」や「戒め」が隠されていたようです。
Reason 01
「贅沢」への戒め説
梅干しの酸味は胃酸の分泌を促し、食欲を増進させます。高価なうなぎをさらにたくさん食べてしまうことになりかねないため、「贅沢をしすぎてはいけない(散財を防ぐ)」という戒めとして広まったという説です。
Reason 02
「過食」による消化不良防止説
うなぎは脂が乗っており、消化に時間がかかります。梅干しの酸味で口の中がさっぱりすると、つい脂っこいうなぎを食べ過ぎてしまい、結果として消化不良を起こすことを心配した、という説もあります。
迷信を覆す! 特許が証明した「梅パワー」
しかし、現代の医学的見地からすると、この「うなぎと梅干し」の組み合わせは、実は「相性が良く、食べ合わせとして理にかなっている」ことが分かっています。梅干しに含まれるクエン酸などの有機酸が胃酸の分泌を助け、うなぎの脂分の消化を促進してくれるからです。先人たちの心配は、恐らく、あくまでも「食べ過ぎ」に対するものであり、食材同士の相性は抜群だったのです。
そして現代、梅の持つ力は「消化促進」にとどまらず、最先端の科学によって新たな可能性が証明されています。実は、梅に関する驚くべき効果が実際に特許として登録されているのです。
① 新型コロナウイルスへの抗ウイルス作用
和歌山県立医科大学などの研究グループにより、梅干し由来の抽出物が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染を阻害する効果があることが確認され、特許登録されています。
特許第7393749号「抗コロナウイルス剤」
古くから言われてきた「難逃れ(疫病退散)」が、現代科学でも裏付けられた形と言えるかもしれません。
② 美肌を守る「コラゲナーゼ阻害」
さらに、梅には美容効果も期待されています。肌のハリを保つコラーゲンを分解してしまう酵素「コラゲナーゼ」の働きを、梅の成分が阻害(ストップ)させる作用についても特許が取得されています。
特許第7235233号コラゲナーゼ阻害剤
※上記は特定の抽出成分による実験結果に基づく特許であり、梅干しを食べることだけで病気が治ることを保証するものではありませんが、梅の持つポテンシャルの高さを如実に物語っています。
やはり梅といえば「偕楽園」と「水戸の梅まつり」
西のみなべ町が「食」と「生産」の聖地なら、東の聖地はやはり茨城県水戸市でしょう。
日本三名園のひとつ「偕楽園」では、毎年2月中旬から「水戸の梅まつり」が開催され、100品種3,000本もの梅が咲き誇ります。
偕楽園を造園した水戸藩第九代藩主・徳川斉昭(なりあき)公は、「一張一弛(いっちょういっし)」という思想を掲げました。「弓の弦を張り詰めるばかりでは切れてしまう。時には緩めることも大切だ」という意味です。
学問を学ぶ厳しい場としての「弘道館(張)」と、心身を休める場としての「偕楽園(弛)」。この2つで一対となるように構想されたのです。
そんな斉昭公の想いを感じるには、ただ漫然と歩くのではなく、設計された「陰と陽の世界」を感じるルートで散策するのがオススメです。
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Step 1:陰の世界
表門 ~ 孟宗竹林
正門である「好文亭表門」から入ると、そこは鬱蒼とした竹林が広がる「陰」の世界。静寂に包まれ、心が静かに落ち着いていくのを感じられます。
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Step 2:浄化
吐玉泉(とぎょくせん)
竹林を抜けると現れる湧き水。大理石からこんこんと湧き出る水音に耳を傾け、世俗の垢を洗い流すような清らかな時間を過ごします。
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Step 3:陽の世界
梅林 ~ 好文亭
そして視界が一気に開け、目の前に広がるのが3,000本の梅林。「陽」の世界への劇的な転換です。暗闇(陰)を抜けたからこそ感じる、春の光と梅の香りの爆発的な喜び。これこそが、斉昭公が意図した演出なのです。
まとめ:日常の風景に隠された「知財」と「物語」
古来より「難逃れ」と信じられてきた梅の力は、現代においても科学の光で証明され、変わらず私たちを支えてくれています。まだまだ寒い日は続きますが、皆様も梅のパワーを味方につけて、どうぞ健やかな春をお迎えください。
そして、もし街中で梅の花を見かけたり、食卓で梅干しを口にしたりする時は、この記事のことを思い出してもらえますと幸いです。
🖌️編集後記:この記事の「色」について
アイキャッチの帯などの色に使用されているのは、日本流行色協会(JAFCA)が選定した2026年の色である「ハートフェルト・ピンク(Heartfelt Pink)」です。「心満ちる」「多幸感」といった意味が込められたこの色は、見ているだけで心が解きほぐされるような温かさを持っています。2026年が皆様にとって、この色のように心温まる一年になりますように。
